Harley-Davidson XL1200S(スポーツスター1200スポーツ)の純正リアショックのオーバーホールをご依頼いただきました。SHOWA製のツインショックです。
外から見てオイル漏れはありませんでしたが、バンプラバーが砕け散っていました。
分解して分かったこと
スプリングをはずして確認すると、バンプラバーが砕けていました。原型をとどめず、破片となって散っている状態です。
バンプラバーは、サスペンションが縮み切る手前で当たって衝撃を受け止める部品です。フルボトム(底付き)したときに金属同士が直接ぶつかるのを防ぐ役割を持っています。
この部品には、ゴム製とウレタン製があります。今回のショックに入っていたのはウレタン製でした。
ウレタンは経年で加水分解が進み、脆くなります。壊れ方に特徴があり、砕けて粉状になり、最終的には消えてなくなります。ゴムのようにひび割れて残るのではなく、内部から失われていく壊れ方です。
分解したときにバンプラバーが見当たらない、あるいは破片だけが残っている場合、多くはウレタン製が寿命を迎えた状態です。
上下のマウントブッシュも劣化していました。
ロッド(シリンダー内を往復する軸)については、研磨で対応できる状態でした。
漏れていないから大丈夫、ではありません
オイル漏れはリアショックの不調として最も分かりやすい症状です。外から見えるので、誰でも気づきます。
一方で今回のように、漏れていないのに、壊れているケースがあります。バンプラバーの砕け、ブッシュの摩耗、オイルの劣化は、車体に付いたままでは確認できません。(バンプラバーはツインショックだと見やすいです)
バンプラバーが機能していない状態で底付きすると、衝撃がそのまま車体とライダーに伝わります。破片が内部に残ったままでは、作動にも影響します。
行った作業
- 分解・洗浄
- ロッド研磨
- バンプラバー交換(ウレタン製 → ゴム製)
- オイルシール・ダストシール交換
- 上下マウントブッシュ交換
- オイル交換・ガス封入
- 組み付け・作動確認
マウントブッシュは、痩せると取り付け部にガタが出ます。走行中の異音や、動きの正確さの低下につながる部分です。分解する機会に一緒に交換しておくのが確実です。
ウレタンからゴムへ
今回は、バンプラバーをゴム製に変更して組んでいます。
ウレタンは反発特性の面で優れた材質ですが、経年で失われてしまうという弱点があります。長く乗られる車両で、次に開けるのが何年先か分からない場合、耐久性を優先する判断もあります。
ゴム製であれば、硬化してひび割れることはあっても、砕けて消えることはありません。存在し続ける限り、底付き時の役割は果たします。
どちらが正解というものではなく、車両の使われ方に応じた選択です。
スポーツスターのリアショックについて
XL1200Sを含むスポーツスター系は、リアがツインショックです。年式の経った個体では、新車から一度も内部に手が入っていないことも珍しくありません。
ハーレーは長く乗られる車両です。走行距離が伸びていなくても、装着からの年数でゴム部品は確実に劣化します。乗る頻度が低い個体ほど、かえって内部が固まっていることもあります。
「特に不満はないが、一度も開けたことがない」という状態であれば、点検の価値はあります。
料金
今回の作業は、送料・税別で53,220円でした。ロッドが研磨で対応できたケースです。
再メッキが必要な場合や、交換部品が増える場合は金額が変わります。ロッドの状態は分解してみないと確定しないため、お預かり後に判断のうえご連絡します。作業内容により変動しますので、目安としてお考えください。
全国から宅配便でお預かりしています
リアショックは車両から外して送っていただければ作業できます。北海道から沖縄まで、全国からご依頼いただいています。
現車確認が不要なため、お住まいの地域を問わずご相談いただけます。
ご依頼・ご相談は info@hiiragi-tech.app までどうぞ。