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セッティング

CB400SF/SBのフロントが頼りないのはフォークスプリングが原因です ─ 交換で接地感が変わります

HONDA CB400SF

HONDAフロントフォーク

CB400SF/SBの純正フォークスプリングはダブルレート(2段バネ)です。低速域では柔らかい領域を使うためタイヤを路面に押し付けられず、接地感が希薄になります。シングルレートへの交換で解消できます。NC31・NC39・NC42対応。

CB400 SUPER FOUR に乗っていて、フロントの動きにこんな感覚はありませんか。

  • 低速で、フロントの接地感が希薄に感じる
  • 走り出しの小さな段差で、フワッと沈む
  • ブレーキをかけると、途中から急に突っ張る
  • どこで支えられているのか、手応えがはっきりしない
  • プリロードをいじってみたが、しっくりこない

これはライダーの乗り方の問題でも、フォークが傷んでいるからでもありません。純正フォークスプリングの特性そのものから来ています。

そして、スプリングを交換するだけで解決できます。当社で実際に施工し、確認しています。

CB400SFの純正フォークスプリングはダブルレートです

CB400SF/SBの純正フロントフォークスプリングには、**ダブルレート(2段バネ、プログレッシブスプリング)**が使われています。

スプリングを見ると、巻きの間隔が場所によって違うのが分かります。密に巻かれた部分と、粗く巻かれた部分があります。

沈み始めは、密な部分が先にたわむため柔らかく動きます。そして密な部分が縮み切って隣り合う巻き同士が接触すると、そこから先は粗い部分だけがバネとして働くため、急に硬くなります

一本のスプリングで、柔らかい領域と硬い領域を両立させる設計です。小さな段差では柔らかく、大きな入力では踏ん張る。考え方としては合理的で、多くの量産車に採用されています。

低速域で接地感がなくなる理由

ここが最も重要な部分です。

サスペンションのバネは、タイヤを路面に押し付けるという仕事をしています。バネが伸びようとする力が、そのままタイヤを路面へ押し当てる力になります。

低速走行時、フロントに大きな荷重はかかりません。つまりストロークの浅い領域しか使いません。

ダブルレートの場合、その浅い領域が柔らかい部分にあたります。バネの力が弱いということは、タイヤを押し付ける力も弱いということです。

その結果、タイヤが路面をとらえている感覚が伝わってきません。フロントが頼りない、接地感が希薄、といった感覚の正体はこれです。

低速だから感じにくいのではなく、低速だからこそ弱い領域を使っていて、感じられないのです。

ブレーキで扱いにくくなる理由

ブレーキをかけると、荷重が前に移ってフロントフォークが沈みます。

ダブルレートの場合、この過程でバネの性格が途中で切り替わります。

  • 握り始め → 柔らかい領域。支えが弱く、スッと沈む
  • 握り込んだ先 → 硬い領域。急に突っ張る

レバーを握る力に対して、タイヤを押し付ける力が比例して増えていきません。途中で急変します

これが「ブレーキのコントロールがしづらい」という感覚につながります。どこまで握ればどれだけ効くのかが、体で予測できません。

プリロードでは解決しません

ここで多くの方が試すのがプリロード調整です。まず手を出す場所としては自然です。

しかし、うまくいきません。

プリロードはスプリングをあらかじめ縮めておく調整で、バネの性格そのものは変えません

サスペンションのバネの特性は、線で表せます。横軸に沈んだ量、縦軸にそれを支える力を取ると、スプリングごとに一本の線が引けます。シングルレートなら直線、ダブルレートなら途中で急に立ち上がる折れ線です。

プリロードを変えても、この線の形は変わりません。線のどこを使うかがずれるだけです。

そして、ずれるのは線全体です。

  • 締める → 初期の支えは増えるが、急に立ち上がる点も一緒に手前へ来る。突っ張りが早くなる
  • 緩める → 突っ張りは遠のくが、初期が沈みすぎる

**ちょっと足りない、行き過ぎる。**その繰り返しで、いつまでも狙ったところに届きません。

「一点だけ合わせる」でも意味がありません

理屈の上では、プリロードを強く締めて、欲しい支えの量にどこか一点で一致させることはできます。

しかし、それでは解決になりません。サスペンションは一点で使うものではないからです。

バイクは常に動いています。ブレーキで沈み、ギャップで縮み、加速で戻る。ライダーが使っているのは点ではなく、ストロークのある区間です。

一点で合わせても、その手前はまだ柔らかすぎ、その先は急に硬すぎる。区間の中でタイヤを押し付ける力が何倍にも変わってしまいます。

さらに、プリロードを強く締めれば1G沈下量が減り、伸び側に使えるストロークが失われます。路面が凹んだときにタイヤが追従できず、かえって接地を失います。車高やキャスターまで変わってしまいます。

減衰調整でも解決しません

減衰は、動く速さに対する抵抗です。タイヤを押し付ける力そのものではありません。

沈む速さを遅らせることはできますが、バネが持っていない支え方を、減衰で作り出すことはできません

線の形が合っていないなら、線を引き直すしかないのです。

解決策:シングルレートスプリングへの交換

シングルレートスプリングは、全ストロークを通してレートが一定です。巻きの間隔が均一で、沈んだ量に比例して反力が増えていきます。

線が直線であるということは、傾きを選べるということです。

車両重量、ライダーの体重、主な使い方から必要なレートを決め、使う区間全体が狙った支え方になる傾きを選ぶ。一点を合わせるのではなく、区間ごと合わせにいきます

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実際に交換し、試乗して確認しました

お客様のCB400SFに、シングルレートスプリングを組んで施工しました。納車前の確認として、施工者自身が試乗しています。

低速域の接地感が、はっきりと変わりました。

浅いストロークの領域でもタイヤを路面に押し付ける力が確保されているため、フロントが路面をとらえている感覚が明確に伝わってきます。街中を流している速度域でも、違いが分かります。

ブレーキのコントロール性も向上しました。

握り始めから握り込んだ先まで、タイヤを押し付ける力が一定の割合で増えていきます。途中で急変しないので、どこまで握ればどうなるかが予測できます。狙った場所で狙った量だけ減速させられる、という状態です。

派手に速くなるわけではありません。思った通りに動くようになる、という変化です。

そして、ここから先はプリロードが本来の役割を果たします。線が正しい傾きで引けていれば、プリロードはサグを整えるための微調整として、意味のある操作になります。

スプリング交換のみでも承ります

フォークオーバーホールと同時でなくても、スプリング交換だけのご依頼を承っています。

ただし作業には、フォークの分解が必要です。純正スプリングとは長さが異なるため、純正カラーの切り詰め加工を行って全長を合わせます。この工程があるため、現物をお預かりしての作業となります。

お預かりの方法は、以下のいずれでも対応できます。

  • フロントフォーク単体 ─ 車両から外して送っていただく形です。全国から宅配便で承っています
  • 車両ごと ─ 脱着を含めてお任せいただく形です。状況に応じてご相談ください

オーバーホールと同時が最も効率的です

すでにオーバーホールをご検討中であれば、同時施工が最も無駄がありません。分解の工程が一度で済みます。

あとから思い立って交換する場合、もう一度分解する手間がかかります。またオーバーホールを同時に行えば、フォークオイルも新しくなるため、バネと減衰の両方が整った状態になります。

実際に施工して効果を確認した立場として、CB400SFのフォークを開けるのであれば、スプリング交換は行う価値があると考えています。

NC31・NC39・NC42すべて対応します

CB400SF/SBは世代を通じてフロントフォークの構成が共通しており、NC31・NC39・NC42のいずれにも対応できます。年式を問わずご相談ください。

料金

作業内容料金(税別)
フォークスプリング交換(左右2本1セット)20,000円

フロントフォークのオーバーホールに、20,000円を追加していただくだけで施工できます。

ご依頼時に、ライダーの体重と主な使い方をお伺いします。スプリングレートを決めるために必要な情報です。作業内容により金額は変動しますので、目安としてお考えください。

全国から宅配便でお預かりしています

フロントフォークは車両から外して送っていただければ作業できます。北海道から沖縄まで、全国からご依頼いただいています。

現車確認が不要なため、お住まいの地域を問わずご相談いただけます。車両ごとのお預かりについても、状況に応じてご相談を承ります。

ご依頼・ご相談は info@hiiragi-tech.app までどうぞ。